子どもに対して先入観を捨てなければならないと常々思っているけれど、無意識に子どもってこうでしょ?を発動してしまうことがある。
例えば、かわいらしい着ぐるみと触れ合いたいでしょ?写真撮りたいでしょ?とか、教育番組から出てきたようなお兄さんやお姉さんがイェ〜イ!!っていえば盛り上がるでしょ?みたいな単純なこと。
大抵の子どもはそういうものだから、子ども向けのイベントには着ぐるみのキャラが来るし、明るく元気なお姉さんやお兄さんが歌を歌ってくれるステージが人気なのだと思う。
しかし、こういった流れに乗り切れないのが我が子である。
着ぐるみは恐ろしいから近づきたくないし、明るく元気なお姉さんやお兄さんに話しかけられたらドン引きする。一緒に踊ろう!なんて言われたら青ざめて全力拒否。
5年も付き合えば、このぐらいの好き嫌いはわかっている。
しかし、好きかどうかわからない、体験させたことがない、もしかしたら興味が出たかも?といったことに対しては、盛大に空振りしてしまうことがある。
で、以前は興味を持たなかったけれど、もしかしたらそろそろ楽しめるかも?の定番は、市販のおもちゃ。
子どもはおもちゃで遊ぶし、おもちゃが欲しいだろうし、おもちゃおもちゃおもちゃ…って思ってしまうのだけれど、彼はそうではないようだ。
巨大なトイザらスに行って、ありとあらゆるジャンルを見て回るも、次から次に出てくる刺激に疲れ果てておままごとで使うイチゴとリンゴをひとつずつ買うだけ。
それならばと、木のおもちゃやカードゲームなどが揃っているこだわりの玩具店に行き、丁寧な接客を受けてひとつずつ試してみるも、おままごと用の紅茶ポットとコップを買うだけ。
店頭で遊び方を教えていただいてお試ししている間は楽しそうにしているんだけれど、じゃあどれが欲しい?というと、飾ってある人形を指さしたり、なんにもいらないと言ったり。
おもちゃ屋さんでほしいほしいと泣き騒ぐ子のイメージとは程遠く、なにか買わなきゃいけないなら、これかなぁと選ぶ感じ。
玩具による知育だとかなんだとか、そんなことはどうでも良いと考えている我が家にとっておもちゃで遊ばないことの問題点は子どもがひとりで時間を潰せないというところだ。
ちょっとおもちゃで遊んどいてー!ができない。
一緒に遊ぶ、絵本を読みきかせる、一緒になにかを作る…。
大変名誉あるプロジェクト、一緒にシリーズが延々と続く…。
そんな彼もひとりで過ごすことができるようになってきた。
一体何をしているのかというと…黙々となにかを作り、それを使って遊ぶ。
低年齢の時にはデュプロでだんじりや山車を作って巡行&運行させることが多かったけれど、手先が器用になってきた今、描いて貼って切って、思うままに何かを作っている。
基本的にコピー用紙、はさみ、セロハンテープ、筆ペンがあれば欲しいものはなんでも作れるみたい。
のぼり、旗、お面、鳥居、お祭りですよをお知らせする張り紙、ねぷたなど。
貯めている空き箱を整理しているとすぐに気がついて巨大な山車を作りにくる。
つまり、彼の関心は祭にあり、趣味も祭であるからして、欲しいものはおもちゃ売り場にはなく、自分で作ったものが一番楽しいらしい。

欲しいものは売っていないから作る。
自分が作ったものは自分が一番欲しかったもの。
これって最高だよなぁ。
数年後にはswitch買って〜とか言うのかな。
その時、私は欲しいものが見つかってよかった!って思うのか、ちょっとがっかりするのかどっちだろう。