あおもり草子

おまつり男の祖母の本棚には民藝、妖怪、手仕事の本がぎっしり詰まっている。
あおもり草子はその中にあった。

孫がなにか言えば「あ!えーっとえっと、えーっと、あー、あれがあれでこれやわー」と言いながらごそごそ。がたがた。ごっそごそ。
引き出しや箱の中をごそごそすると孫を喜ばせる古びたなにかが出てくる仕組みになっている。(時に埃を伴う)
大抵のものは、ぽいっと出して好きにしなはれってなもんだけれど、本に関しては、そっとページをめくって大切に扱うように教える婆。(私が子供の頃は大切な本は手袋をして読むように教わっていました)
孫、大切に読みます、と約束して借りる。
手を洗ってからそーっとそーっと読んでいた ”あおもり草子 “。
ある日、婆の本棚から孫の本棚にお引っ越し。
そーっと読んでいたあの日はいずこへ…。ガシガシ読んでいます。

誌名:あおもり草子
発行元:あおもり草子編集部